沖縄県の西表島に、日本最南端のかやぶき屋根の家があります。今はだれも住んでいないけれど、その家には、とても重要な役割があります。それは、先代から受け継いできた文化を、次の世代に伝える場となっていること。このかやぶき屋根の上で、知恵や技術、ゆいまーるの精神が受け継がれているのです。南の島の小さな集落で、たいせつに守られ、有形文化財に指定されている古民家をていねいに取材した写真絵本。
沖縄県西表島の小さな集落。有形文化財に指定されている日本最南端のかやぶき屋根の家。
その家のかやのふきかえ作業が写真とともに描かれた本です。
ゆいまーる(助け合い)の精神で昔から生きてきた集落の人々。
島という厳しい自然環境の中で行きていくためには「助け合い」はなくてはならないもので、便利になった今も「ゆいまーる」の精神を大切にしているそうです。それを知恵や技術も一緒にバトンのリレーが続けられていくといいます。
ふきかえ作業が終わると、その家と土地の神様に住む人の健康をお祈りするならわしがあるそうです。
その後人々は集まって唄い、お酒を飲み、踊ります。
この本を読んで、忘れてはいけない大切な人間の根っこのようなものを感じました。
(わさんぼんさん 60代・その他の方 )
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