今の「不安感」を解くカギは、100年前の「言葉」にあった!
【おもな内容】 新型コロナウイルスの流行、東日本大震災、ウクライナ侵攻…など、人々を「鬱屈」とさせる未曾有の混乱に見舞われている現代。 我々は、内面に生じるモヤモヤした感情とどう付き合うべきか。 そのヒントは、100年前にあった!
本書では、スペイン風邪や関東大震災、そして第一次世界大戦の時代における、「災後」の言語空間に着目。 夏目漱石や太宰治、芥川龍之介、田山花袋などの有名文学作品をはじめ、雑誌、辞書、詩といった膨大な資料を引きながら、「鬱屈」の時代を読み解く。
【目次】 はじめに 第一章 気持ち・感情・感覚の言語表現 第二章 文学作品の「鬱屈」 第三章 辞書に載せられた鬱屈した「気持ち・感情」 第四章 詩的言語にあらわれた「鬱屈」 第五章 二〇二〇年〜二〇二二年の「鬱屈」 おわりに
【著者略歴】 今野 真二(こんの・しんじ) 清泉女子大学教授。 日本語学専攻。 一九五八年、神奈川県生まれ。 八六年、早稲田大学大学院博士課程後期退学、高知大学助教授を経て、現職。 著作に『盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える』(集英社新書)、『うつりゆく日本語をよむ―ことばが壊れる前に』(岩波新書)、『振仮名の歴史』(岩波現代文庫)、『日本語の教養100』(河出新書)、『言霊と日本語』(ちくま新書)など多数。
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