文学少女だった著者は伊丹万作と文通を重ね、終戦後、出版社で女性編集者となる。 井伏鱒二、太宰治、内田百閧ネどの名だたる文豪と交流し、やがて伊丹の縁で京都に渡り、 大映京都撮影所で記録見習いに。監督・黒澤明と出会う。 新米として『羅生門』の撮影現場に入り、最後の作品となった『まあだだよ』まで19本の黒澤映画に参加する。 数々の傑作を生み出した巨匠たちの素顔や交流を忘れられないエピソードとともに振り返る。 希望と混沌に満ち溢れた日本映画の黄金期を、山田洋次監督『母べえ』原作となった 自身の生い立ちとともに、懐かしく語り尽くす。
<目次より>第T部 インタビュー さらば、黄金の日々よ 第一章 焼け野原の青春 第二章 映画黄金期にすべりこむ 第三章 忍び寄る不協和音 第四章 不死鳥は飛ぶ 第五章 映画『母べえ』の原風景
第U部 エッセイ集 落葉の掃き寄せ 三鷹町下連雀 「下戸の酒」 井伏先生とスニーカー 『赤ひげ』後のクロサワとミフネ 『静かな生活』垣間見録 『たそがれ清兵衛』の撮影現場を訪ねて 『明日へのチケット』のためにキアロスタミの家を訪ねた
文庫版付録 クロサワの素顔と撮影現場──NHK BS2番組より (対談:紅谷愃一/出目昌伸/加藤武/仲代達矢/小泉堯史)
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