本屋さんの回転棚でよく見かけた世界名作絵本シリーズが、新たに生まれ変わって登場。小さなお子さんが読める伝記絵本のシリーズ、第1作目はヘレン・ケラー。世界のハンディキャップに苦しむ人々の希望となった女性です。
1歳のときにかかった病気による高熱で、突然音も光もない世界に閉じ込められ、「見えない」「聞こえない」「話せない」という三重の苦しみを負うことになったヘレン。学齢期近くなっても手づかみで食事をするヘレンに、家庭教師のアン・サリバン先生が必死でマナーを教えたり、「water=水」という指文字をきっかけに“物に名前がある”とヘレンが知ったことなど、有名なエピソードがしっかり物語に織り込まれています。
「見えない」「聞こえない」「話せない」ってどんな感じなのか、子どもはきっと想像しながら読むことでしょう。その信じられないような大変さに、負けなかったヘレンという女の子が「本当にいた」という事実にびっくりするのではと思います。
子どもの人生観を広げてくれるシリーズ「はじめての伝記えほん」。ひらがなが読める未就学のお子さんから、小学校低学年くらいまで楽しめます。巻末には地図や年表もあります。読み聞かせにもひとり読みにもぴったりです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
見えない、聞こえない、しゃべれない! それでも負けない女の子ヘレン・ケラーが世界を変える、本当にあった物語。
●「はじめての伝記えほん」シリーズ● 伝記は生き方のお手本! 実話ならではのドラマを絵本として楽しめ、読み聞かせにも、ひとり読みにもぴったり! 巻末には、地図や年表、解説を掲載。偉人の人生について、さらに理解が深まります。
創刊にあたって 監修:斎藤孝 私は、小さい頃から伝記を読むのが大好きでした。伝記が自分の精神の骨格を作ったと思っています。幼い頃から伝記を読むことで、強い精神が培われます。立派な人とはどういう人で、どんな道をたどったのか、苦難に負けない精神のあり方とはどういうものか、自然にロールモデル、いわば生き方のお手本をイメージできます。子どもは、イメージしたものに向かって自分を変えていきますから、よいものを見れば良い方に、悪いものを見ればそちらに惹かれていくでしょう。だからこそ、子どもには最高のいいものを与えてほしい。 この「はじめての伝記えほん」シリーズでは、最高にいい生き方をした人たち、子どもたちにお手本にしてほしい人物を取り上げています。保護者の方や親御さんも一緒にお読みになって「この時どう思って、こうしたんだろうね?」、「この時は大変だったね。」と会話しながら物語を楽しんでいただければと思います。ただ読むだけでなく自分に引き付けて考えてみることで、子どもたちは、物語、つまりは生き方のお手本を、いっそう自分のものにしてくれます。ぜひ親子で、楽しんでください。
この本を読ませて頂いて、とても感動しました。これは信念を持つことの大切さを教えてくれます。私は昔からヘレン・ケラーにはひじょうに関心がありました。この本を読みながら、重病のため視力と聴力を失い、ほどなく唖者にもなったヘレン・ケラーが信念を持って、未来を切り開いていく姿はほんとに素晴らしいと思いました。またサリバンの教師としての能力は驚くべきものです。この本はとてもわかりやすく、ヘレン・ケラーについて書かれています。素晴らしい本だと思います。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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