真空状態の電子顕微鏡に生き物を入れると、ぺしゃんこになり、乾燥してしまいます。ところがそうはならずに、生きたままの姿で、細かなしくみが見られる方法が見つかりました。この方法で観察すると、生き物たちのシンプルで、究極の省エネになっているしくみがわかってきました。 タマムシの羽は、色素がなくても、緑や赤、黄色に光ります。つまり、エネルギーを使って塗料をつくる必要がありません。フナムシの足はエネルギーをほとんど使わずに、水を吸いあげられます。ヤモリは指先の細い毛のような構造だけで、天井にはりつくことができます。 エネルギーや資源の大量消費が支える現代社会。このままでは、近い将来に立ちゆかなくなるのでは……。省エネを駆使して生き抜いてきた大先輩たちに学び、持続可能な社会をめざす最先端の研究を紹介します。
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