今日の5、6時間目は、特別授業。あすか、りゅうじ、さき、ゆり、こうたのグループは理科室の机に座ってそわそわしています。先生が教室に入ってくると、授業が始まりました。 まずグループごとに自分がどんな大人になりたいかを話し合って紙に書きます。それを沸騰させた金色の液体に入れると、もわもわとしたゆげが広がって……。 さあ、「おとな体験」の世界へいってらっしゃ〜い!
あすかがたどり着いたのはラーメン屋。あれ? でもあすかは確か違うものになりたいと書いていたはず。次はりゅうじ。りゅうじが着いたのは美容院。でも美容師になりたいと書いていたのは、さきちゃんだったような……。さらに、さきちゃんが辿り着いたのは動物病院。みんなが辿り着いた場所は、それぞれが書いた夢とは違っていて、あれあれ大混乱? と思いきや、なんだかとっても楽しそう。それぞれの場所で「おとな」を体験しながら、いろいろなことに気づき、発見していきます。
どんな大人になりたいか、すぐに思いついたとしても、ちょっと悩んじゃったとしても、未来のことを想像してみるのは楽しいこと。でも、自分ではこれ! と思っていても、他にも可能性があるかもしれないし、実は思いもよらぬ仕事が向いていたりするのかもしれない。さらに、どんな大人になりたいかを考える時に、それが仕事に結びついていなくても良いのかも? そんな気づきを得ながら、未来へのワクワクが高まっていくような、元気をもらえるおはなしです。
なかがわちひろさんの親しみやすい文章に、全ページ生き生きとした子どもたちの挿絵が入り、まるで本を読んでいることを忘れてしまうぐらい、気軽に読み進められる絵童話。表紙と裏表紙にちりばめられた大人についてのメモ? にもユーモアがいっぱい。手にとったら、本の外側までたっぷり楽しんでみてくださいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
今日は、ちょっと不思議な「おとな体験授業」。クラスメイト5人が、どんな 大人になりたいかを書いた紙を液体に入れると、まぜこぜに大人になっちゃ った! ラーメン屋さんや漫画家などを体験して、最後に思ったことは?
この本を読ませて頂いて、とても感動しました。これは生きていくための様々なヒントを教えてくれます。この本は大人にとっても十分楽しめると思います。おとな体験の世界に入っていきますが、そこには考えるための材料がいっぱい詰まっていると思いました。素晴らしい本です。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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