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ファーブル昆虫記の世界を丹念に描いた絵本
フランスの「ファーブル友の会」会長から"プチ・ファーブル"と激賞された画家が、昆虫記の世界に入り込んで、克明に繊細に、そして詩的に描くシリーズ。今回はカマキリ、オオモンシロチョウ、トネリコゼミ。
熊田 千佳慕とは、熊田 五郎さんの絵本画家としてのペンネーム。
熊田 五郎さんは、2009年8月13日に死去されましたが、実に99歳でした。
その熊田さんの代表作が、ファーブル昆虫記の虫たちです。
フランスの「ファーブル友の会」から、プチ・ファーブルと激賞された熊田さんの描くファーブル昆虫記の絵は、絵の領域を遥かに超えています。
惚れ惚れする絵と言ったら良いのでしょうか。
美しいとしか言いようの無い絵は、コレクションするに値するものだと思います。
今回、読んだのは第三巻。
ウスバカマキリ、オオモンシロチョウ、トネリコゼミの3種の昆虫が収められていますが、ウスバカマキリ以外は、日本に生息していないもの。
原作はフランスの作品ですから、当たり前と言えば当たり前。
そして、絵以上に素晴らしいのは、挿入された文章。
裏表紙には、
「虫や花と対話をして
答えを待つ。
そんな積み重ねが
一枚となるのです」
次の頁には、
「見て 見つめて 見きわめて
私は心の目で 自然を描きたい」
珠玉の言葉が並んでいます。
締め括りは、最後の解説。
それぞれのシーンに関する詳細な説明があるので、楽しみが何倍にもなること間違いありません。
本としての完成度の高さは、類を見ないもの。
熊田さんの人柄が偲ばれるこの絵本との邂逅に、感謝したいという気持ちで一杯です。
多くの人に読んで貰いたい超オススメの一冊です。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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