中国の近代都市、上海の公共空間に現れる書記言語の生態の歴史を探究する。主に20世紀の間に上海の都市空間に表示された言語の種類、表現の内容や文字の形態が社会的環境の中でどのように変容していったのかなどを明らかにする。
■「まえがき」より 本書は、中国の近代都市―上海の公共空間に現れる書記言語の生態の歴史を探究するものであり、主に20世紀の間に上海の都市空間に表示された言語の種類、表現の内容や文字の形態などが社会的環境の中でどのように変容したのか、さまざまな環境因子がどのように言葉の変異や変化を引き起こしていたのか、などを明らかにすることを目的とする。本書の各章は筆者がここ十数年の間に、言語学、社会学、図像学、歴史学と人類生態学などの分野に跨るトランスディシプリナリー・アプローチを導入した研究の成果集成である。 本書全体の内容は第1部「上海言語景観史」と第2部「上海道路命名史」の二部構成となっている。
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