毎年夏になるとね、1週間のあいだ、おばあちゃんの家で過ごすの。早起きをして、自転車に乗ったり、ベリーをつんだり、絵を描いたり。そして、お昼寝をするの。そうすると、いつもびっくりするようなことが起こるのよ……。
女の子がおばあちゃんの家の水色の窓をあけると、そこに広がっているのは見たことのない景色! 次の日は、色鮮やかなジャングルかと思ったら、その次の日は、イタリアのサン・マルコ広場でカーニバル。大きな波が打ち寄せてきたり、村でのにぎやかなパーティが開かれていたり。なんて不思議で窓なのでしょう。でも、どこか見覚えがあるような?
ここまでページをめくると、気づく方もいるでしょう。女の子が窓から見ているのは、世界的な名画をもとにした景色ばかり! ルソーにモネ、ゴッホに北斎まで。おばあちゃんと女の子の共通の趣味は絵を描くこと、見ること。きっとそんな話をしているからこそ、豊かで不思議な夢を見ることができるのでしょうね。
絵画をじっと見ていると、「この世界はどうなっているのかな?」「 続きを見てみたいな」「入ってみたいな」と思うことも多いはず。そうやって想像力を刺激されるのも、絵画の大きな魅力の一つだと思うのです。女の子と一緒に、自由な心でアートを味わってみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
まいとし なつになるとね、1しゅうかんの あいだ、わたしは おばあちゃんのいえで すごすの。おばあちゃんちでは はやおきをして、 じてんしゃにのったり、みずあそびをしたり、ベリーをつんだり、えをかいたりするのよ。おひるを たべたら、かならず おひるねをするの。おばあちゃんちで おひるねをしてるとね、いつも びっくりするようなことが おこるのよ。おひるねする へやの、みずいろのまどを あけると、そこには...すごい けしきが ひろがってる! 絵本で楽しむ、世界的名画の世界! 想像力がふくらむ1冊。登場する名画の解説付き。
えほんで名画とあったので、読んでみました。が、名画を直接紹介していくのではなく、窓を開けると、みたことのある景色……というのが、新鮮でわくわくします。絵もかわいらしくて、親しみやすい感じ。巻末に絵の紹介もありますので、興味をもった子供たちにもわかりやすいかと。名画と想像がつながって、楽しい絵本でした。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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