はっぴ姿の船頭さんに、案内されて下る川。なにやらふつうの川下りとは、ひと味もふた味も、ちがうみたい。
「さぁて、かくごは ようござんすか。 こわさ ひゃくばい、スリルまんてんの かわくだり。」
急な流れもなんのその、船はスイスイ川をゆく。最初の名所は、『ガマのおおいわ』。なんのことはない、ただの岩──かと、思いきや!
「こいつの しょうたいは ひとくい オオガマだ。 つかまらないよう きをつけて!」
あらわれたのは、ほんものの妖怪!? 食われるなんて、聞いてないよ!
怖い? ワクワク? 妖怪たちが次々と姿をあらわす、迫力の川下りを描いた絵本! 登場するのは、雪女や人魚といったおなじみの妖怪から、あまり聞きなれないマイナーな妖怪まで……。川下り一行の前途は多難です。 しかし、たよりがいのある船頭さんのおかげで、一行はなんとか無事に妖怪たちをやり過ごしていきます。途中には、あずきとぎの作るあんこスイーツと、雪女のかき氷をごちそうしてもらえる、妖怪茶店まで! なーんだ、怖いばかりじゃないみたい。
みどころは、妖怪たちのかわいらしいデザイン! ギョロリとした目玉とぷっくりしたほっぺが特徴的な人魚や、カラスにしちゃああまりに丸顔すぎるカラス天狗など、ユニークなデザインがなんとも愛らしく、新鮮です。
川下りとはなんとも涼しげ、妖怪もいればもっとヒンヤリ……。夏にぴったりの妖怪絵本です! おっとそういえば、川とくれば忘れちゃいけない妖怪がいましたね。はたしてどこかに、姿を見せるのでしょうか?
(堀井拓馬 小説家)
さあ、ようこそいらっしゃい! いま人気の川下り。なんでも、ようかいがわんさか出るらしい…?
最初から迫力満点のかわくだりにひきこまれました。次々出てくる妖怪も愛嬌があって、おもしろいです。あずきとぎのちゃみせ、おいしそうで、いいなあ(笑)そして、やっぱり、せんどうさん。ただものじゃない。迫力のあるアトラクションにのったような、まさに、ようかいわんさかで楽しい絵本でした。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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