旅をしている人にだけ見えてくる風景がある。
そこには特別な光があり、特別な風が吹いている――ボストンの小径とボールパーク、アイスランドの自然、「ノルウェイの森」を書いたギリシャの島、フィンランドの不思議なバー、ラオスの早朝の僧侶たち、ポートランドの美食やトスカナのワイン、そして熊本の町と人びと――旅の魅力を描き尽くす、村上春樹、待望の紀行文集。「熊本再訪」初収録。
目次 ・チャールズ河畔の小径 ボストン1 ・緑の苔と温泉のあるところ アイスランド ・おいしいものが食べたい オレゴン州ポートランド/メイン州ポートランド ・懐かしいふたつの島で ミコノス島/スペッツェス島 ・もしもタイムマシーンがあったなら ニューヨークのジャズクラブ ・シベリウスとカウリスマキを訪ねて フィンランド ・大いなるメコン川の畔で ルアンプラバン(ラオス) ・野球と鯨とドーナッツ ボストン2 ・白い道と赤いワイン トスカナ(イタリア) ・漱石からくまモンまで 熊本県(日本)1 ・「東京するめクラブ」より、熊本再訪のご報告 熊本県(日本)2 ・あとがき
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