世界が右傾化するなか、極右は政治を語る上で欠かせないものとなった。ヨーロッパ各国でさまざまな極右勢力が台頭し、人々をひきつけている。 ヨーロッパの極右はどのように誕生し、定着したのか。いかなる活動を展開してきたのか。 排外主義、自国中心主義、強権的な指導者を特徴とする極右は、その単純な見た目とは裏腹に、多種多様な背景をもっている。伝統的な保守派、急進的な革命派、グローバルな交流、サブカルチャーなど、その姿をとらえることは容易ではない。 極右研究のスペシャリストである著者たちは、ナチズムとの関係、新右翼、宗教、ポピュリズムなどの切り口から、極右の諸相を紐解いていく。 極右が問題視されるのは、選挙という民主主義の手続きによって政治に躍り出たことが大きいが、極端な主張を現実的なものに調整すると求心力を失うというジレンマも抱えている。 19世紀から現在まで、ヨーロッパ各国からロシアにかけて根深く息づく極右の歴史に光を当て、その実態を明らかにする。極右を理解する上で欠かせない一冊。
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