世界各地に残る宮殿や豪邸の廃墟を集めた写真集である。建築時には栄華を極めた宮殿や屋敷が、長い時を経て朽ち果てていく様子を、美しい写真と簡潔な文章で綴っている。
第一章は南北アメリカ大陸とカリブ海沿岸に散在する植民地時代の領主や大富豪の屋敷跡の様子をたどる。また、米国の成金、成功者らが贅を尽くして建てた豪邸や別荘などの朽ち果てた姿も多数収録している。
第二章と第三章では、西ヨーロッパと東ヨーロッパの宮殿廃墟を集めた。これらの地には中世から近世にかけ、繁栄をきわめたヨーロッパ諸国の王侯貴族らによる華麗な宮殿、城郭、邸宅が数多く残る。中でも長い間、旧共産圏のベールに包まれて知られることの少なかった東ヨーロッパ各地に残る宮殿廃墟は、その印象的な外観、内観で本書の見どころの一つとなっている。 第四章は珍しいアフリカと中東の宮殿廃墟集。植民地の領主やプランテーション経営者らの大邸宅から、独立後の軍事政権独裁者が建てた奇抜なデザインの宮殿などが紹介されている。
第五章のアジア太平洋地域では、インドや東南アジア諸国の宮殿廃墟を集めた。珍しい日本の大型リゾートホテル廃墟なども紹介されている。
巻末に、本書に登場する136カ所の廃墟の位置を記した「世界宮殿廃墟マップ」が付く。
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