〈日本三大随筆〉から、世界文学の最高峰へ――。 夏目漱石や南方熊楠の英訳によって、世界にその名を知らしめられた、鴨長明の『方丈記』。 翻訳・翻案を経て、世界文学の最高傑作の一つとして受容されていった過程を、初めて考究した書。
[目次より] まえがき 序章 世界文学としての『方丈記』――古典文学の新たな可能性に向けて
第1部 日本国内における『方丈記』の受容 第1章 成立から明治初期までの『方丈記』受容の概要
第2部 自然文学作品としての『方丈記』――夏目漱石の「英訳方丈記」を中心に 第2章 開国後に欧文で見る『方丈記』――ジェームス・メイン・ディクソンを中心に 第3章 夏目漱石と『方丈記』の最初の外国語訳への挑戦――詩人化された鴨長明 第4章 漱石とディクソンの『方丈記』英訳の比較検討――在日西洋人が見た鴨長明
第3部 19世紀末・20世紀初頭の英語圏における『方丈記』の流通と受容の諸相 第5章 日本からアメリカへ――Sunrise Storiesに見る『方丈記』 第6章 アメリカからイギリスへ――南方熊楠・ディキンズの『方丈記』共訳とその受容 第7章 英詩人バジル・バンティングの見た『方丈記』―― Chomei at Toyama を中心に
終章 夏目漱石と文学作品の歴史性
あとがき 参考文献
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