森林資源の減少と解決に向けて、参加型森林管理の重要性が指摘されており、本書ではその事例として、森林面積が増加に転じているインドにおける森林パンチャーヤト(森林に関わる住民自治組織)に注目する。著者はヒマラヤ山麓に位置するウッタラーカンド州での地域研究により、その制度や組織、住民参加の面から、課題について論じる。森林パンチャーヤトは、英国による植民地時代に「開発組織」として内発的に組織されたこと、細やかな管理規則と利用が定められた村落では住民の長年の経験によって蓄積されてきた知識が持続的森林管理につながること、森林管理への住民参加には意思決定の場、管理活動、管理プラン作成という3段階の参加があること、森林管理委員等の代表的な立場であることが意思決定の参加を高めること、さらに女性と森林と関わりについて考察している。
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