心にこだまする言葉
金子みすゞは明治時代に生まれ、大正中期から昭和初期に活躍した詩人。 主に童謡詩を書いたことから、みすゞ本人も童女のようなイメージを持たれがちだが、 豊かな空想や子ども心のほかに、漁村や都会の心象風景、人間の孤独、世界の成り立ちなど、 幅広いテーマで500篇以上の詩を書いた意欲的な文学者であり、日本を代表する女性詩人の一人。
テキストでは、大正デモクラシーに誕生した「童謡詩」が、昭和の戦争の時代に衰退していく時代背景、 みすゞの26年の生涯を紹介しながら、傑作詩28作品を読解する。 みすゞ全集刊行の前後を伝える実弟の日記も初公開。
(目次) はじめに 聖女から詩人へ 第1回 詩心の原風景〜童謡詩の誕生 第2回 視点の逆転、想像の飛躍〜投稿詩人の誕生 第3回 「孤独」と「死」を見つめて〜童謡詩の衰退 第4回 ことばで響き合う未来へ〜童謡とみすゞの復活
写真・図版60点、関連年表、みすゞの投稿作品の順位表、本文中の76項目を解説する脚注など充実の資料付。
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