「音色(ねいろ)と言うわね。色をのせるように、弾くのよ」。世界中で人気を誇るピアニスト、フジコ・ヘミング初のベストアルバム「COLORS」発売に合わせ、ドラマチックな人生や、音楽を表現することなどをフジコが語る。
幼い頃からピアノがうまく、“天才”と呼ばれたフジコだが、風邪がもとで聴力を失い、表舞台から姿を消す。音楽教師などでしのぎ、世間に再び見出されたのは60代後半になってから。イメージ豊かなその音色は、聞く者の心を時に静かに、時に激しく打つ。今回、“奇跡のピアニスト”フジコ初のベストアルバム「COLORS」が発売されるのを記念し、公式ガイドブックとして編集されたのが本書。5枚組のベストアルバムは、入手できる音源をすべて聞き返し、フジコ自身が選んだ好きな曲、好きな演奏、人気の高い曲目を厳選して収録。これまであまり知られていない音源も含まれ、まさにフジコの集大成といえるアルバムが完成した。公式ガイドブックでは、それぞれの曲にフジコ自身が解説を加え、どのような心構えで弾いているかなどを語る。さらに、これまでの人生を振り返って、ピアノといかに向き合ってきたかなどのエッセイも収録。フジコファンは必携の1冊である。
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