「高森草庵」で思索と労働の日々を送った押田成人神父の著作選集、最終巻
晩年にかけて醸成されてゆくなかで著されたエッセイを収録。「ひと」や「こと(まこと)」の本質をたどると共に、押田神父独自の霊性が扱われる。周囲の人々による回想、押田神父が訳したヨハネ福音書の冒頭部分、ミサにおける説教、押田神父の略歴も併せて収録。
【目次】 七 火止(ひと)とコト 「ひと」の内なる火 冬の花 梅咲いて梅の如し 人生は数のために在るのか? 存在のリズム 深みに根ざすまどいを求めて 歴史はかくれたもの 存在の奥底からのかかわり 感謝します、とは言えない 流民の版画家 因縁ということ 白い鹿 土 赤道直下 まごころと事業 まごころと人生
八 地下流の霊性 宗教受納即苦悩 霊性ということ 霊的な本物とは? キリストとは誰か? 心の時代から霊性の時代へ 闇の神秘 心が傷つくということ かむいなる御者 《対談》 彼岸なる世界への旅(押田成人+無着成恭)
九 御里への道行き 旅の条件 「禅堂 押田」埋葬の背景―歴史的摂理の寸見 前略 ひとり ひとり 心得べきこと 押田神父、晩年のことば 《エッセイ》 神父さまの最期から(聖体尼) 《詩》 押田師を偲んで(井原彰一) 《エッセイ》 野の花、空の鳥―押田神父一周忌に寄せて(石井智恵美) 《エッセイ》 押田師のご病歴(長山直弘) 《エッセイ》 ふるさと高森草庵(葛西實) 「高森草庵 農業等予定(二〇二〇年)」
十 聖書とミサ説教 私訳 ヨハネ福音書1章1―18節 説教 ルカ福音書2章1―14節(主の降誕) 説教 ルカ福音書9章10―17節(パンの奇跡) 説教 ルカ福音書11章1―13節(祈り―主祷文) 説教 ルカ福音書12章13―21節(愚かな富豪のたとえ) 説教 ルカ福音書18章1―8節(祈り―裁判官とやもめのたとえ) 説教 ヨハネ福音書15章8―15節a(互いに愛せよ―結婚式にて) 説教 聖体の祝日
押田成人 略歴
《寄稿エッセイ》 高森草庵・押田成人という場所とひとからの伝承(黒住真) 《寄稿エッセイ》 遠いまなざし(山折哲雄)
解題 新しい地平へのまなざし(石井智恵美)
彼のことばは、環境破壊、核問題、宗教対立といった現象の根にあるものを気づかせ、それらの根源的な解決へのヒントを与えてくれるとともに、キリスト教そしてその枠を超えた霊性の流れを伝えるだろう。(「刊行のことば」より)
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