現代文明に警鐘を鳴らし、信州に祈りの共同体「高森草庵」を創った押田成人神父の著作選集
彼のことばは、環境破壊、核問題、宗教対立といった現象の根にあるものを気づかせ、それらの根源的な解決へのヒントを与えてくれるとともに、キリスト教そしてその枠を超えた霊性の流れを伝えるだろう。(「刊行のことば」より)
九死に一生を得てドミニコ修道会に入会するまで、カナダでの神秘的な出会いや経験、高森草庵における生活をたどる。日本的霊性に根ざす歩み、まことを求めてゆく足取りが語られる。観念的・理念的なものではなく根源的なことを表す「コトことば」に関するエッセイも収録。
*オンデマンド化に伴い上製から並製に変更しています。
【目次】
刊行によせて(宮本久雄、石井智恵美)
一 胎動 師に導かれて 老いゆく道の美しさ 生きている神秘伝承 別世界の人──タルト師 赤誠をもって神にこたえる 馬鹿者 不思議な窓 わすれなぐさ 雪と星 こもり火 日本文化の根、縄文文化との出会い 神様に直属する土地を 先住者 道すがら かけがえのないもの 「高森草庵 覚え書」 《エッセイ》 押田成人神父さん(宮本久雄) 《エッセイ》 聖地高森草庵(葛西 實) 西の海の旅から 《コラム》 押田神父とキリシタン(宮本久雄)
二 高森草庵といのちの泉 泉のほとり 山の藍 まごころと故郷 彼岸の声 萱屋根の遺訓 江戸っ子 泉といのちを守る 日本、残ります 『藍の水』再版のあとがき 指導集団が情念に走るとき まず、無心になること
三 コトことば 理念ことばとコトことば にわとりの三本目の足、観念ことば 意味ことばから存在ことばヘ 存在の響き、コトことば コトことばは一回かぎりの事件 コトことばは存在の声 コトことばは意識以前の存在世界 コトことばと出会うには コトは手なり ことほぎ 遠いまなざしと気≠フ話 日本に生きる祈り こおろぎの空間─祈りとは何か 「高森草庵の祈り」
《寄稿エッセイ》 押田成人神父を偲ぶ(加藤信朗) 《寄稿エッセイ》 押田神父さまと高森草庵のこと(さくまゆみこ)
解題 深い沈黙の響き(石井智恵美)
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