20世紀を代表する霊的指導者ナウエンの主著、待望の新訳!
1932年にオランダで生まれ、アメリカで活躍したヘンリ・ナウエン。1972年に刊行された初期代表作である本書は、苦悩に満ちた世界において牧会者であることの意味を問う。牧会者自身の傷や弱さが、他者を癒やす源となるという本書の主張は、「仕える生き方」を願うすべてのキリスト者に、今なお新鮮な導きを与え続けている。
解説より ナウエンは、孤独で苦しむ人間のうめきに耳を傾けながら、孤独が負い目ではなく、実は、他者との交わりの接点になり、他者の痛みを癒やす創造的な源にもなりうると語りかけています。ナウエンは、はっきりと書いています。「キリスト者の生き方は孤独を取り除きはしない。孤独を尊い贈り物として守り、大切にするのだ」と。だからこそ、〈孤独〉とどうやって共生していくのかが、鍵なのです。(中略)私たちは誰もが、孤独の疼きを抱えています。そして本書においてナウエンによる魂のもてなしを経験することで、孤独の傷を力に変えられて、私たちは皆それぞれに傷ついた癒やし人になることができます。本書は、ナウエンの物語というだけではなく、私たち皆の物語でもあるのです。 酒井陽介(イエズス会司祭)
【目次】 はじめに 四つの開いた扉
第一章 断絶した社会におけるミニストリー 人間の探求 序 一 現代における人間の苦境 二 現代における人間の解放への道 結び
第二章 根なし草の世代へのミニストリー 脱走兵の目をのぞきこむ 序 一 明日の世代 二 明日の指導者 結び
第三章 希望なき人へのミニストリー 明日を待つ 序 一 ハリソン氏の状態 二 ハリソン氏を明日へと導くには 三 キリスト教のリーダーシップの原則 結び
第四章 孤独な牧会者によるミニストリー 傷ついた癒やし人 序 一 傷ついた牧会者 二 癒やす牧会者 結び
結び 前へ進ませる力
訳者あとがき……渡辺順子
解説 孤独を生きる奉仕のかたち─もてなし(ホスピタリティ)と共同体の創造……酒井陽介
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