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ゲノムが語る人類全史

ゲノムが語る人類全史

著: アダム・ラザフォード
解説: 篠田 謙一
訳: 垂水雄二
出版社: 文藝春秋

税込価格: ¥2,475

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作品情報

発行日: 2017年12月14日
ISBN: 9784163907741

448ページ

出版社からの紹介

◆考古学ではわからなかった「世界史」の最先端◆

ヒトゲノム計画以降、急速な進化を遂げたDNA解読技術によって、
私たちは数万年前の人類のゲノムも抽出・分析できるようになった。
それにより、遺骨や遺跡の存在が不可欠だった従来の歴史学は一変。
ゲノムの痕跡を辿ることで、骨さえ見つかっていない太古の人類から
現在の私たちへと繋がる、祖先の知られざる物語が解き明かされた――

・ホモ・サピエンスはネアンデルタール人と何度も交配していた
・DNAにのみ痕跡を残す、知られざる「幻の人類」が発見された
・狩猟から農耕への移行を加速させたのは、二つの突然変異の出現だった
・現存する全人類の共通祖先は、わずか三五〇〇年前、アジアにいた
・ヨーロッパを二度襲ったペスト菌はどちらも中国からやってきた


【目次】

■序 章 人類の歴史はDNAに刻まれている
ヒトゲノム計画以降、急速な進化をとげているDNA解読技術によって、考古学
ではわからなかった祖先の物語が次々と明らかになっている。戦争、侵略、移動、
農耕、病、セックス……。本書は人類の旅路をゲノムで読み解く新たな歴史書だ。

〈第1部 人類の誕生から繁栄まで〉

■第一章 ネアンデルタール人との交配
四万年前のネアンデルタール人。その骨からDNAを抽出すると驚くべきことが
わかった。私たちの祖先は彼らと何度も交配し、子をなしていたのだ。だがそれ
だけではない。私たちのDNAには他にも、未知の人類集団の痕跡が残っている。

■第二章 農業革命と突然変異
長らく狩猟生活を送っていた人類は、一万年ほど前から突如として農耕・牧畜を
開始し、それは一気に世界中へとひろがった。そのきっかけは何だったのか?
実は、農業革命の時期には、ある二つの突然変異が人類のあいだに拡散していた。

■第三章 近親相姦の中世史
シェイクスピアの戯曲でも知られるリチャード三世。死後五〇〇年以上経って、
彼の遺体が駐車場の地下から発見された。だがそこから抽出されたDNAは、現
在生きている男系子孫のDNAとは一致しなかった。一体どういうことなのか?

〈第2部 世界はどこに向かうのか?〉

■第四章 人種が消滅する日
かつて遺伝学は、人種差別や優生学と繋がったこともある。しかし現在では、人
種間よりも人種内の方が、実は違いが大きいことがわかっている。突然変異によ
って白い肌の人間が現れたのも、歴史的にみればごく最近の話にすぎないのだ。

■第五章 遺伝学は病気を根絶できるか?
数々の遺伝子が発見されるにつれ、ゲノム・データから個人の病気を特定・治療
することへの期待が高まっている。患者のゲノムに潜む特異な変異を炙りだす手
法も開発されたが、それは遺伝学者たちに新たな難題を突きつけることになった。

■第六章 犯罪遺伝子プロジェクト
二〇一四年、フィンランドでは八〇〇人の暴力犯罪者のゲノムがスクリーニング調
査された。また、二六人の小学生を銃殺したアメリカ人の青年も、地元当局によっ
てゲノムが解読された。果たして彼らの中から「犯罪遺伝子」は見つかったのか?

■第七章 ホモ・サピエンスの未来
ヒトの眼はふつう三色色覚だが、女性の八人に一人は四色色覚を生じうる変異遺
伝子をもっている。こうした変異遺伝子の四分の三は、ここ五〇〇〇年以内に生
じた新しいものである。人類は進化する種であり、その歴史はDNAに刻まれる。

■解 説 ゲノムで辿る日本人のルーツ 篠田謙一(国立科学博物館人類研究部長)

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