日本独自のサムライアート。美と迫力をまとめて堪能する美術書
刀剣・甲冑を中核とした戦具は侍の表道具。彼らが最も大切にしたものだ。日本を約700年の長きにわたり実質的に支配・統率してきた侍たちが、己の領民と領国を護るため、刀匠や甲冑師たちに最高のものを作るように命じて完成させた表道具は晴れ装束であり、同時に戦いに敗れれば一転して死に装束となってしまうものでもあったから、考えられないほどの財が投じられ、贅が尽くされた。そこに求められたのはきらびやかさだけではなく、実戦に際して最高に役立つように無駄を削ぎ落した、洗練された美しさだった。本書は、世界から注目されるサムライアートの美を、名品をたっぷり鑑賞しながら日本史を通観する流れのなかでとらえ直していく。
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