はずかしがりやの小さな黒ネコジェニーの、誕生日のおはなし。きょうだいネコのチェッカーズとエドワードが迎えに来て、ニューヨークの中でもにぎやかな場所にある公園へ、バースデイ・ピクニックに出かけます。
途中、プレゼントをくわえた双子のネコに出会い、立ち寄った消防署では、ごちそうの入ったピクニックかごと一緒に、はしご車にみんなで乗り込みます。運転するのは消防ネコのピックルズ。「ジェニーのバースデイ・ピクニックがひらかれる公園へまいります。みなさん、おはやめにご乗車ください!」
花が咲く公園のひんやりした芝生で、ごちそうを並べ、歌を歌って……ネコたちのピクニック・パーティが始まります。そして空に月がのぼるころ、「いちばんやりたいことってなあに?」とみんなに聞かれたジェニーがはずかしそうに答えたのは……?
作者エスター・アベリルは、1902年アメリカのコネチカット州生まれ。パリで児童書出版社を設立、帰国後はニューヨーク公立図書館の児童書部門に勤務するなど、多彩な活動をした人です。1944年に、自身の飼い猫をモデルにした“黒ネコジェニー”シリーズ初作品を発表。日本では「黒ネコジェニーのおはなし」シリーズとして福音館書店より3作が刊行されています。本書はその読み物シリーズのスピンオフで、カラーとモノクロの見開きが交互に展開する、ペン画の繊細なタッチが愛らしい絵本です。
原書「JENNY’S BIRTHDAY BOOK」は1954年にアメリカで刊行。長らく入手できなかった幻の絵本が、石津ちひろさんの訳で、愛らしさ満点の日本語版となりました。古いアメリカの絵本の都会的なチャーミングさ、淡々と流れる時間の心地よさを味わってくださいね。ネコがいっぱい登場するので、ネコ好きの大人にもおすすめ。それにしてもバースデイ・ピクニックって素敵……!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
きょうははずかしがりやの小さな黒ネコジェニーのお誕生日。ともだちのネコたちといっしょに公園で楽しいバースデイ・ピクニックをします。幼年童話「黒ネコジェニーのおはなし」シリーズのスピンオフ。絶版になっていた幻の絵本を、訳も新たに出版いたします。本作はよみものではなく絵がメイン文章少なめの絵本です。プレゼントにもぴったりの華やかな表紙、中身にはかわいいネコがいっぱいの心あたたまる絵本です。
児童書の黒ネコジェニーシリーズが大好きなので、絵本バージョンも出たんだ!とうれしくなりました。
カラフルなイラストが大きな画面で楽しめて、気分が上がります。
白黒ページとカラーページが交互になっているところが、クラシックな雰囲気を醸し出して素敵でした。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子13歳)
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