「世の中には,私たちを強く感動させる絶対的な傑作が存在する。モーツァルトのレクイエム,オデッセイ,システィーナ礼拝堂,リア王――これらのすばらしさを理解するには,時として見習い期間が必要になるかもしれない。しかし,これらの作品は純粋な美しさをもち,しかもそれだけではなく,私たちに世界の新しい見方を与えてくれる。アルベルト・アインシュタインの宝石である一般相対性理論は,そのような傑作の一つだ。」(序文より)
『時間は存在しない』(NHK出版)や,『すごい物理学講義』(河出書房新社)などで知られる理論物理学者,カルロ・ロヴェッリ。 ベストセラーを次々と生み出す彼が,ついに一般相対性理論の教科書を執筆。 重力相互作用と時空の幾何学的側面を同一のものとして記述する,驚くべき理論の本質に迫る。
計算過程を大胆に省き,アイデアに焦点を当て,全体像を俯瞰しながらわかりやすく解説する。 ロヴェッリ著作の特長である,独自の観点からの考察や陽気な語り口は,本作でも健在。 彼のガイドのもと,読者は深遠な一般相対性理論の世界を最短経路で駆け抜け,最後には量子重力の美しい未解決問題を垣間見ることだろう。
一般相対性理論を学びたい人はもちろん,ロヴェッリの語りに魅せられた人や,ひと味違った教科書を読んでみたい方にもおすすめの1冊。
[原著]Relativita Generale(ADELPHI EDIZIONI, 2021)
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