一見何の問題もなさそうな、保育現場の「あたりまえ」。 その保育、ホントに大丈夫ですか?
「クラス活動はみんな一緒に一斉に」「歌は大きな声で元気よく」「乳児と幼児は時間と空間を分ける」「けんかは『ごめんね』『いいよ』で解決」「片づけをしてから次の遊び」「給食を残さず食べたらほめる」「展示する作品は差が出ないようにする」……。 一見何の問題もなさそうで、むしろ望ましいかのようにみえるこれらの保育の姿。 しかし、本当にそうでしょうか? 思い返してみると、「これまでこうやってきた」からと、漫然と行ってしまっていることが大半なのではないでしょうか。 本書では、そうした「根拠や理由が明確でないにも関わらず、伝統的にくり返し行われる行為やルール」を“なぞルール”として取り上げ、そのルールの背景や何が問題なのかを示し、必要に応じて、見直し変えていくための視点や方法、工夫を紹介しています。
【主な目次】 Part1 保育活動のなぞルール @クラス活動はみんな一緒に一斉に/A歌は大きな声で元気よく/B行事の後は思い出画を描く/C絵の具は必要な色だけ準備する/D5歳になったら竹馬チャレンジ/E園行事に不可欠 Part2 遊び時間のなぞルール F「遊び」も時間内に終わらせる/G乳児と幼児は時間と空間を分ける/Hコーナーの玩具は持ち出し禁止/Iブランコは10数えたら交代/J片づけをしてから次の遊び/K凧あげ、コマ回しは1月の遊び/Lけんかは「ごめんね」「いいよ」で解決 Part3 生活におけるなぞルール Mクラスの1日は朝の会からスタート/N活動前にはトイレタイム。並んで順番に/O給食を残さず食べたらほめる/P眠くない子どもも全員でお昼寝タイム/Qできたことを言葉でほめて伸ばす/R色分けは、男の子は青系、女の子は赤系に Part4 保護者を意識したなぞルール Sどの子どもにも同じ経験をさせる/?ドキュメンテーションはクラス全員をのせる/?展示する作品は差が出ないようにする/?連絡帳は、とにかく記入して返す/?保育参観はいつも通りの保育を行う Part5 保育者の役割・考え方のなぞルール ?楽しい遊びを提供するのは保育者の役割/?主体性を育むには手や口を出さず見守る/ ?積み上げたい経験を何よりも大切にする/?壁面装飾は保育者の手作りで/?乳児から幼児への進級接続は3月/?保育もPDCAでまわす
【著者情報】 石井章仁(いしい・あきひと) 大妻女子大学家政学部児童学科准教授 大学卒業後、学童保育指導員、保育士を経て、東京家政大学大学院修士課程修了。その後、東京YMCA社会体育・保育専門学校専任教員、城西国際大学福祉総合学部福祉総合学科助教、千葉明徳短期大学保育創造学科教授等を経て現職。 著書に『エピソードでわかる! クラス運営に役立つスキル』(中央法規出版)などがある。
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