□今から約2億3000万年前にあらわれ,約1億6000万年にわたり地上の生態系の頂点に君臨した生物。それが「恐竜」です。現生人類の時代は,ここ数十万年ですので,いかに恐竜の時代が長かったかがわかります。現在までに,およそ1000種類がみつかっており,その姿や生態なども徐々に判明してきています。 本書は,全部で四つの章からなります。第1章では,恐竜が生きた「中生代」という時代について説明し,恐竜の進化の道筋をたどりながら,種の分類をまとめました。ティラノサウルスが属する「獣脚類」をはじめ,それぞれ個性的な特徴を兼ね備えた五つの分類を,系統図を使ってわかりやすく整理しています。 つづく第2章では,100種類以上の恐竜について,最新の研究を踏まえてえがかれた美しいイラストとともに解説しています。眺めているだけで恐竜の世界にひたれる,まさに“ビジュアル恐竜事典”といえる充実した内容になっています。 第3章では,恐竜以外の爬虫類について紹介しました。恐竜が陸の支配者だったとするならば,空を支配したのは「翼竜類」,海の覇権をめぐって争ったのは「魚竜類」「クビナガリュウ類」「モササウルス類」です。これらの生物は,いずれも恐竜だと誤解されることが多く,また見た目も恐竜と似ていますが,実は恐竜ではありません。 最後の第4章では,恐竜の最新研究をまとめました。ティラノサウルスの最新研究や,恐竜の“生き残り”といえる鳥類について,その進化に関する新しい仮説を取り上げました。これ以外にも本書では,恐竜の研究者になるために必要なことなどを取り上げています。目で見て楽しめる1冊でありながら,たくさんの学びが得られるようになっております。ぜひ「恐竜の世界」をご堪能ください。
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