「あなたにも、あるでしょう? あの長くて暗い時間」 自分の体に向き合いはじめたころに過ごす、 だれかに助けてもらいたくてしょうがない、 すべての女の子たちの、あの時間――――。
胸の大きな女の子――そのつらさは、なってみないとわからない。揺れ、重力、体に合わない服、好奇の視線、そして……。 ある事件に巻きこまれて、心に傷を負った14歳の貴和。叔母さんの家に身を寄せ、新しい学校でひっそりと目立たないように毎日を送っている。そんな貴和を、叔母さんや保健室の先生がそっと見守り、推しの女優の存在や、いつもそばにいる謎の「だれか」が支える。光の見えるほうへと、一歩ずつ進みはじめた貴和だったが――。
かつて少女だった大人たちのやさしさが、 成長の痛みと向きあう少女をあたたかくつつみこむ 著者会心の感動作。
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