《目次》 はしがき 第1章 人類の食、日本人の食 第2章 こんなにもある和食材 第3章 東と西の和食文化 第4章 都会と田舎の食 第5章 江戸と上方――都市部の食 第6章 二つの海――日本海と太平洋 第7章 海と里と山――里海・里地・里山 第8章 武家・貴族・商人の食 第9章 はしっこの和食 終 章 いくつのも「和食」を未来へ あとがき 参考文献
《概要》 和の食材や調理法は多様性に富んでおり、雑煮やおせち、節供など「ハレの日」の料理ばかりでなく、日々の暮しのなかで受け継がれてきた数多くの食がある。だが、東京への一極集中や少子高齢化による後継者不足によって、農地は荒れ、名産品だけでなく、食器やしつらえの生産も細り、地方、とくに山間地で、その伝統食が失われつつあるのだ。 今こそ、和食を保護し未来へ継承していくために、各地各時代に成立した「いくつもの和食」に光をあてる。
《著者紹介》 1952年和歌山県生まれ。79年京都大学大学院農学研究科修士課程修了。農学博士。静岡大学農学部助教授、総合地球環境学研究所副所長、大学共同利用機関法人人間文化研究機構理事、京都府立大学文学部和食文化学科特任教授・京都和食文化研究センター副センター長を経て、現在、ふじのくに地球環境史ミュージアム館長。おもな著書に、『食の人類史』『米の日本史』『京都の食文化』(以上、中公新書)、『知ろう 食べよう 世界の米』(岩波ジュニア新書)、『稲と米の民族誌』(NHKブックス)がある。
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