新しい幼稚園教育要領では、子供たちが遊びや生活の中で美しさや不思議さに気付き、考えたり、工夫したりすることを通じて、表現する力の基礎を培うことが示されています。そして小学校学習指導要領においても幼児期に育まれた感性や表現力を踏まえて子供の考える力、表現する力が低学年以降の教育へと円滑に接続され、自覚的で深い学びへと繋がっていくことが求められています。 本書はそのような教育の要請を実現するための具体的な内容と方法を、身近にある絵本の題材から汲み出して、保育・教育を学ぶ学生や初任者にもわかり易く紹介したものです。 1 絵本を媒介とした表現教育の理論と豊富な実践事例を掲載 表現教育の理論を分かりやすく述べるとともに、豊富な実践事例を掲載しています。 2 幼稚園教育要領・小学校学習指導要領との対応や具体的な手立てを例示 各実践事例を具体化する上でヒントとなる指導上の留意点や環境構成を、表現活動のポイントとして示しています。 3 育みたい資質・能力を具体的に提示 多くの実践事例は、子供が活動の中でどのような資質・能力を身に付ければよいのかを明示しています。 これらを手掛かりに、育成すべき資質・能力を明確に捉えることができます。 4 指導に当たっての悩みに答えるヒントを掲載 指導を具体化する際、どのように絵本を読み聞かせればよいか悩んでしまうといったこともあります。Q&A形式で、そうした実践上の疑問に答えるヒントを掲載しています。 5 指導の系統性が見えるよう、事例を提示 幼児期から児童期までのそれぞれの学年を4期に分けた表「発達段階と年間を見通した表現教育計画の参考絵本事例」を掲載しています。各時期に体験させたい内容の絵本を系統的に配列して示しています。
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