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「人」から始まり「人」で終わる連作詩集 言葉遊びで描く喜びと悲しみ
「会う時はアンニョンでいたくてアンニョン 別れる時はアンニョンではいられなくてアンニョン
待つ人が路地にいた。 待つ時までいた」(「待つ人」より)
言葉遊びに気を取られているうちに周囲の時空が歪み始め、 自分がいつの間にか韓国の、あるいは日本にも共通した 生きづらい世の光景を眺めていることに気づいて愕然とする。 そして、この詩人はただものではないらしいと、 改めて認識するだろう。 ──訳者解説より
オ・ウンの詩集『僕には名前があった』には、 都市で暮らすいろいろな人が集まっていた。 その日常の身近な言葉で綴られた詩はエッセイのようでもあり、 また突如少ない字数で語られる人の一代記のようでもある。 どの人にもどこか心当たりがあり、目を瞑って適当に本を開いて読めば、 それは占いかおみくじのようでもある。 ユーモアのある言葉の中でそれぞれの人はみな、存在の岐路に立っている。 ──友田とん (書評「都市で暮らし、行き交う人びとに言葉遊びで想像を膨らませる」より)
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