虚数とは「2乗するとマイナスになる数」です。 中学校までに習うふつうの数では,プラス×プラスはプラスになり,マイナス×マイナスもプラスになります。つまり, 0でない数を2乗する(2回かけあわせる)と,かならずプラスの数になります。したがって,ふつうの数では「2乗してマイナスになる数」などというものは存在しないはずです。存在しないはずの数だから,うその数。すなわち虚数です。 そのような虚数が一体何の役に立つのでしょうか。実は虚数は,科学の世界ではとても大きな役割をになっています。たとえば,ミクロな世界を物理学で解き明かそうとすると,虚数の計算が必要になります。さらには,私たちがくらす宇宙では,誕生時に「虚数時間」というものが流れていた,という理論も提案されています。 本書では,とても不思議な数である虚数について“最強に”面白く紹介します。本書を読み終えるころには,虚数のありがたみが,きっと実感できることでしょう。虚数の世界をどうぞお楽しみください!
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