戦後の同和行政に関する特別措置法の時代は、2002年3月まで33年間続いたが、これがその後の部落のあり様や部落解放運動に与えた影響は計り知れない。半世紀を経過して、同和対策事業特別措置法がどのような議論や過程を経て成立したのか振り返る。占領期の部落問題、日本国憲法おける部落問題の位置づけ、「同対審答申」が創られた過程、同和行政が本格的に実施される以前の部落の実態、そして1969年の「同対法」制定と、高度成長が部落にどのような影響を与えたのか、関係者の聞き取りや実態調査、国会の記録などによって明らかにする。
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