「根っこ」に関する情報や知識は、土の中に根があることからも、一般の人々が意識したり調べたりすることはあまりありません。しかし、「根」は食や環境を根底から支える植物の重要な部位です。食と環境の重要性が改めて増している現在にあって、今までにない切り口でとして、「根」から世界を眺めてみる必要があるのではないかと根研究学会は考えました。本書は、植物の「根」に着目し、草本や木本植物・農作物の根について、根研究学会の会員が中心となり、各方面の専門家が詳しく執筆・解説・編集した書籍です。本書は、根の種類と共通構造、根の生物的な起源、植物による構造の違い、根の基本的な役割について、基本的な根の知識を身に付けることができます。また、根と文化や食を支える根、イネ科やイモ類・根菜類・果菜類・葉菜類・花き・果樹の品目ごとの根の特徴について解説しています。さらに、樹木種による根茎の違いについても解説していて、普段目にしない土の中の根の様子を知ることができます。そして、「環境を支える根」の章では、「根」をみつめなおし、減災や気候変動への有用性を説きし、最終章では「根の研究 最前線」について、宇宙と根・根と植物ホルモンなど、最新トピックスを掲載しています。植物の『根』に焦点をあてることで、自然環境や農業、造園などへの新しい視点を見つけることができるでしょう。また、根を知ることにより、土壌や肥料についても、より一層理解を深めることができるようになります。植物の「根」について、初心者でも理解できるよう、やさしく解説した本です。
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