もしも人生に迷ったなら、回ってみてはどうでしょう。はじまりと終わりのない、本当の自分を見つける旅へ。
*
縄文人時代の円環や渦巻きの紋様は、循環・永遠の死生観のあらわれであり、平和・平等・自由のサインである。四国遍路は、一番と八十八番を結ぶと円環・渦巻の道となる。巡礼の人がみな同じ道を踏む円環構造である。「守られる人(衆生)」から「守る人(菩薩)」へと転じる円環構造の道。暴力や誘惑にゆるがぬ、本当の自分を見つける、擬死再生の道。それは、はじまりと終わりのない、自分を見続ける旅であり、病を健康に転じ、悩みを抜ける、擬死再生の道でもある。
四国六番札所安楽寺の住職である著者が、日本列島の土着の宗教・文化が今に息づく道・四国遍路が内包する思想とその歴史を語る。
[目次より] 発刊に寄せて/笠谷覚真 序
第一部 四国遍路の歴史と先達たち 第一章 四国はお四国 第二章 お四国≠フ歴史を刻んだ人びと 第三章 現在につながる四国遍路の系譜
第二部 通過儀礼としての四国遍路 第一章 縄文時代の通過儀礼を今に伝える四国遍路 第二章 通過儀礼と弘法大師
第三部 円環型巡礼に行きつく弘法大師の思想と書 第一章 般若心経から円環型巡礼・四国八十八ヶ所へ 第二章 円環の道・四国八十八ヶ所 第三章 輪円具足=円環・渦巻の思想を「書」という型にした弘法大師 第四部 四国遍路からみた地球規模の宗教文化 1…縄文時代からの宗教文化/2…キリスト教のヨーロッパへの伝来/3…聖 職者の結婚の禁止/4…四国遍路からみたキリスト教・イスラム教/5…九世紀 の世界の都市は東アジアと西アジア/6…キリスト教の五本山の形成/7…四国 遍路からみたヨーロッパの「ルネサンス」/8…四国八十八ヶ所の現在
補論 大楽金剛不空三昧論
四国八十八ヶ所霊場年表(四国へんろの春秋T) あとがき
|