――風によばれて、ここまで来た わたしが、わたしになれる場所
毎日なんとなく息苦しいと感じるあなたへエールをおくる物語
友達の一言に傷つき、仕事に疲れた父親には悩みも言えず、やりきれない気持ちを抱える野々歩。通学の途中、ふと風によばれた気がして、電車に乗って向かったのは、亡くなった祖母の住んでいた町。遺産の後片づけのため、母親がしばらく家を空けて、そこにいるのだ。自分を放っておく母親への複雑な気持ちを抱えたまま、なりゆき上、母親がボランティアで関わる「森のようちえん」の子どもたちと一緒に過ごすことになる。大自然の中で力強く生きる子どもたちを目の当たりにして、野々歩も自然の美しさ、厳しさを知り、自分自身とも向き合っていく。
装画:いとうあつき
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