
山賊のむすめローニャと、別の山賊のむすこビルクは大の仲よし。しかし、この2組の山賊は反目しあっていて、2人は心を痛めていた。美しい自然を背景に、親と子、少年と少女の愛情をみごとに描く。
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山賊のかしらマッティスは、一人娘のローニャを溺愛しています。
しかし、生きていくことに必要なことはちゃんと教えているし、箱入りにするのではなく、危険なことから自分を守る術を教えて外へ出しているし、とても素敵なお父さんです。
でも、敵対する山賊との争いで、相手の息子を痛めつけ捕まえる粗暴なところがあります。
それをきっかけに、ローニャは父親に反感を持ち、離れていきます。
その時にマッティスは言ってはいけないことを口にします。
「おれには、子どもはいない」
親の立場と子の立場の両方を経験しているわたしは、どちらの気持ちも痛いほどわかります。
子どもの立場しか経験のない子どもたちは、ローニャに共感してマッティスに腹を立てるでしょう。
でも、最後まで読んで親の気持ちを分かってもらえると嬉しいなあを思います。
二人がどう和解するのか、そして「おれは、じぶんの子をもってるんだ!」というせりふにつながるのか、どきどきして読んでもらいたいです。 (おるがんさん 50代・ママ )
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