
包帯でグルグル巻きになったエジプトのミイラだけがミイラじゃない。世界中のいろんなミイラを集めたこの本でキミもミイラ博士!?

ミイラの写真は一つもないので、怖くないから大丈夫!(残念?)
小学校の理科の先生が、大のミイラ・マニアで、ミイラのフィギアを作って、自宅がミイラ博物館状態というのが、素晴らしい。
マニアの心意気を思う存分見せつけてくれます。
作者がいろいろな資料を本当に、真剣に読み込んで、ちゃんと咀嚼してから、漫画に表現していることが伝わってきます。いよっ!名人芸!
小学生くらいの読者を想定した表現で、きちんとありのままを伝えつつも、残酷すぎたり、ショックすぎたりする表現は抑えているという絶妙なさじ加減。
これなら子どもにも安心して見せられると思いました。
もちろん、大人が読んでも面白い。子どもに買ってあげるつもりだったのに、結局、親が夢中になってしまうような、そんな雰囲気を感じました。
ミイラって、漫画やゲームのキャラクターになっていたりするから、意外と、こどもは知っていたりしますね。自分が子どもの頃も、ミイラが出てくるゲームや、テレビのクイズ番組などを見て、興味をもっていました。
だいたい、あの包帯ぐるぐるは、どうやって巻いているのか?どこから巻いているのか?どのくらい包帯を使っているのか?どうしてそんなことをしたのか?
・・・などなど、疑問は尽きません。好奇心の塊だった小学校時代に、私の時は、こういう良心的な本がなかったので、結局、大人向けの科学や歴史のコーナーなどの本を見て、気持ち悪い写真にびっくりしたり、難しい文章に悩まされたりして、子どもならではの探求を断念した思い出があります。
今はこんないい本があって、うらやましいですね。
子どもの好奇心を安全に満たせる上、歴史や地理、人間の気持ちなど、いろいろな要素の勉強も自然にできてしまう素敵な本です。
ミイラに対する作者の温かい気持ち、真摯な態度が伝わってきます。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
|