あやしげな音楽催眠術と吸血コウモリをぶきに、チャランポランは、ちゃくちゃくと吸血プランを実行していった。はたしてその正体は?
水木しげるのおばけ学校(5) 1981年初版、2007年の時点で第24刷。大人気☆妖怪物語。
空腹のためにケンカになった鬼太郎とねずみ男。町に出て行ったねずみ男はお金のために吸血鬼の秘書となり、月給100万円で鬼太郎を陥れる。一方鬼太郎は、防衛大臣の秘書から吸血鬼対策の仕事を任された。鬼太郎と吸血鬼の大激突は意外な展開を見せ…
不死身の鬼太郎ならではの、破天荒なストーリーが刺激的。殆ど制約がないのでなんでもアリで話が作れる便利なキャラだ。
更に水木先生の独特の社会に対する批判精神や感性がオモチロイ。防衛大臣から仕事を依頼されたり、最後に「妖怪にも国籍を」送られようとしたり、読者としていろいろ考えさせられる場面もあり。
大人は大人なりの楽しみができ、子どもはこどもなりの楽しみ方ができるのが大きな魅了だ。
吸血鬼は西洋妖怪として登場するのかと思ったら、そういうわけでもなく、やや異国情緒も感じさせるが、どちらかというとボヘミアン的な、天才肌の芸術家という個性が愉快だ。
しかも気前がいい、味方には。身内には優しく世話をやく。悪役にも美点を与えるところが、心にくい。
妖怪も吸血鬼もなかなか生きにくい世の中で、心中お察し申し上げます。でも血はあげたくないなあ。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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