生きがいを失った道化師レオに輝きをよみがえらせたのは、二匹の小さなねずみでした。 サーカスの人気者、レオ・マシーニは、いつも舞台に立つと、とびきりの芸と冗談で観客をわかせていました。けれど、ある晩、レオはこれまでにない疲れを感じ、サーカス団を後にする決意をします。
【安藤パパ】 サーカスの人気者・道化師のレオは、ある日これまでにない疲れを感じサーカス団を 辞める決意を固めた…。人は誰でも老いる。仕事に引き際があるのも分かる。でもな んだか虚しい。そんな生きがいを失った道化師に輝きをよみがえらせたのは、 二匹の小さなねずみだった。現役を退く老ピエロの肉体的・精神的衰えを正直に描き ながらも、後進を育てることで新しいステージへ向かうモチベーションを獲得したレ オの喜びが胸に迫る絵本。核家族社会で老人とコミュニケーションの少ない現代の子 どもはもちろん、介護問題が間近に迫る僕らの世代にとっても、隅に置けない一冊だ。
道化師と聞くと、華やかな芸とはうらはらに
なんだか寂しいイメージが浮かびます。
現役を引退した「老ピエロ」となると、いっそうのこと。
だけど、見ていてくれる人はいます。
必要としてくれる人もいます。
違う形で、道を開くことができます。
ほっと、温かい気持ちになる展開でした。
この柔らかなタッチの絵が、
物悲しい雰囲気も、温かい思いも見事に表現しています。
道化師同様、主役ではないかもしれないけど、
心に染み入る絵本です。 (しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子5歳)
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