
学校の音楽室の壁には、偉大な音楽家たちの肖像画が並んでいます。 偉そうだったり、苦悩に満ちていたり、あるいは憂愁を帯びていたり、その表情はさまざまですが、共通するのは「偉大オーラ」ともいうべき何かを発していること。
音楽が五線譜に記録されるようになり、誰が作った曲なのかが明確に記されるようになったのは14世紀あたり。以後、現在までの長い歴史の間に何万人、何十万人もの「作曲をした人」がいながらも、そのなかでほんの数十人だけが、いまも「クラシック音楽」として聴かれる曲を作ったのですから、たしかに、偉大なのです。その競争率たるやすさまじいもので、大統領や総理大臣になるのよりも難しい。
しかし、偉そうな顔の人たちも、恋に悩んだり、不倫でドロドロになったり、借金まみれになったり、けっこうドラマチックな人生なのです。聖人君子みたいな人はほとんどいません。みな何かが過剰な人たちです。だからこそ、そのありあまるエネルギーを音楽に注ぎ、名曲が生まれたわけです。
それぞれの曲については、聴いてもらうしかないので細かい解説はしていません。 ぜひ、CDや配信、あるいはコンサートで聴いてください。

私は最近、よくジャズを聴きます。以前は青山のブルーノートによく行ったものです。けれども私は昔からクラシックが大好きでベートーヴェンやモーツァルトの大ファンです。この本はクラシックの偉人伝ということですが、これはクラシックの奥深さをしっかり教えてくれます。私は40代の頃、夜の世界に入る時、ベートーヴェンの交響曲第5番運命を聴いていました。それ以降も人生に行き詰まった時は運命を聴いてきました。今も時々、運命を聴きながら、クラシックの素晴らしさをつくづく感じています。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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