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貧しい家、出稼ぎで不在の母、幼い弟、疫病神のような祖母、つまらない学校生活・・・…。いつも何かにいらだっていたコウゾウだが、支えてくれる人たちの思いやりが、その心を少しずつ解きほぐしていく。思春期の少年の成長が、温かみあるタッチで描かれた物語。
このたび中学生への課題図書に選定された児童文学です
早速図書館にて借りてきました
作者のふるさと、舞台は栃木の田舎、そこで暮らすコウゾウの話す方言と境遇が、まさに地をはう風のごとく、物悲しくもあり、強くたくましくもあり、読んでいてぐいぐいと引っ張る文章の力強さを感じます
生きていくために子供ながら必死で頭を働かせ、体を動かしていく・・・
今では到底想像できないであろうほどの戦後間もない日本の田舎の生活は、目の前で繰り広げられているように鮮明に脳裏に浮かんでくる
いじめられ蔑まれても決して屈しないパワーはいったいどこから湧き出てくるのか
人間の本当の強さは突き落とされて初めて開花するような、すがすがしさを読み終えて感じる
実に読み応えのある物語であった
中学生以上大人にもお勧めしたい (風の秋桜さん 40代・その他の方 )
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