
なんと!作者の伊藤さんは歯科医師さんです。
昔、泳げないのに負けず嫌いで、友達たちと池で遊んでいて、溺れそうになった時があったそうです。泥に足を取られて溺れかけたその時、泳げないはずの自分が突然7メートル近くも泳ぎきって、岸に上がれたのは、河童のおかげだ!と、思ったそうです。(その池は、河童が住んでいると噂されていたんですって)
近年、河童を扱ったテレビ番組を見て、あまりに河童を悪者扱いしていたので、この物語を書くにあたったとか…。
住んでいた川の洪水で、両親と離ればなれになってしまった河童の子を助けたのは、子供のいなかった夫婦で、その河童の子に河助と名付けて、大切に育ててくれます。
だんだん大きくなり、河助は自分が河童であることを意識して、河童の村へ一度は戻っていきますが、それからしばらくして、河助を助けた夫婦の家には、毎回土用の丑の日に、ウナギや魚などがたくさん届けられるようになりました。
それを届けていたのはもちろん河助です。
それから200年という時が経ち、物語はいよいよラストに向かいます。
このラストがすごく泣けるんです。河童と人間の厚い友情(人情)が、心と心の結びつきが、何とも言えず感動なんです。
少し長いお話ですが、とてもハートにくる作品です。荒んだ事件が多い現代、たくさんの人に読んでほしい作品です。 (てんぐざるさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子5歳)
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