読み始めてすぐ、これはただごとではないと思った。自分はいま傑作を読んでいるのだ、という強い確信を抱いたのである。――北上次郎(解説より)
おじいさんの家で過ごした日々。それは、ぼくにとって唯一無二の帰る場所だ。ぼくは時おり、あの頃のことを丁寧に思い出す。ぼくはいつだって戻ることができる。あの、はじまりの夏に――。おとなになってゆく少年の姿をやさしくすこやかに描きあげ、野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した感動作。
この主人公の少年は田舎のおじいさんのところでの暮らしで、すごく救われて部分があったのではないかと思い、よかった帰れる思い出があって。。。と読み手も心から思ってしまう。
愛おしい日々というのは決して劇的な何かドラマチックなことが起こるわけではない。
淡々としたしずかな日々こそ、輝かしい日々なのだ。
それは過ぎ去ってみると本当によくわかる。
環境は違えど、少年少女時代を振り返るとそう思える日々があるのではないだろうか。
そしてそれが今を生きる糧ともなっていく。
どこか共感できる、そんな1冊に思えた。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子9歳)
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