土木の絵本シリーズ第5巻です。登場人物は、青山士、八田與一、久保田豊の3人です。彼ら3人は、第4巻で登場した「広井勇」の教え子です。
彼らがやったこと、それは本シリーズ第3巻の”おやとい外国人”の役割を、海外で実践したということです。土木技術で世界に恩返しが出来るほど、日本の土木技術は発展したわけです。
青山士はパナマ運河に、八田與一は台湾の農地開発に、久保田豊は発展途上国の水力発電事業などにそれぞれ従事した人物です。
なかでも八田與一は、台湾の歴史教科書にその記述があると書かれています。海外の歴史教科書に日本人の土木技術者の名前が出ているのです。私は知りませんでした。多くの日本人は聞いたことのない名前だと思います。でも台湾の人は「八田與一」という日本人技術者が台湾で何を行ったのか知っているのです。
また、久保田豊は「誠意をもってことにあたれば必ず途は拓ける」と言っています。言葉の壁、文化の違い、、、、日本とアジア諸国(いや、世界各国)との関係が不安定な現代こそ、彼らのような情熱と誠意をもって外交にあたるべきではないのでしょうか。青山士、八田與一、久保田豊が世界を舞台に何を行ったのか、われわれ日本人も知っておくべきことと思います。
土木の絵本シリーズは、社会資本を利用する我々大人もさることながら、これから未来を託すこどもたちにも是非読んで頂きたい作品です。鉄道や港などの公共施設の重要性やその歴史を知る上で、本書は極めて良い入門書と言えます。
大きな夢を持ち、それに邁進した先陣の人たちに敬意を表します。 (ジョバンニさん 40代・パパ 男の子7歳、女の子3歳)
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