ドイツを脱原発へと導いた小説をコミック化
ドイツのある町の原子力発電所で爆発事故が起きた。原発から70キロほどの町に住む14歳のヤンナは、逃げ惑う人々で町がパニック状態に陥るなか、小さな弟・ウリを連れ、ハンブルクの叔母の家へ向かい自転車で避難する。原発からほど近い町に出かけていた両親の安否を心配しながらも、必死で逃げるヤンナとウリ。しかし、思わぬ悲劇が二人を襲う……。 本作はチェルノブイリ原発事故の翌年にドイツで発表され、子供から大人まで幅広く読み継がれてきたベストセラー小説をドイツの若手漫画家アニケ・ハーゲがコミック化したもの。福島第一原発事故を受け、ドイツはいち早く脱原発へと舵を切ったが、それ以前の20数年間にわたり世論形成に大きな影響を与えたのが、この原作と言われている。ヤンナを容赦なく襲う数々の恐ろしい出来事は、3.11の原発事故以降の日本にオーバーラップする。エネルギー問題を含む生活の在り方を問われている日本人が、今こそ読むべき警告の書。
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