お湯をわかす。電気をつける。物を持ち上げる……。そんなとき「エネルギーをつかう」といいますが、エネルギーってなんでしょう? エネルギーは見えないけれど、エネルギーが「していること」は見えます。いろいろな形であらわれるエネルギーの源をたどっていくと、そこには宇宙のはじまりが……。科学の思考方法を平易に説く池内了さんの文章を、スズキコージさんのエネルギッシュな絵が彩ります。
科学の本のような題名ですが、あまり頭は使わなくていい素敵な本。
子どもに科学的な教育を期待する(仕組みがわかるとか、理屈がわかるとか)のではないのがミソ。
エネルギーというものは、地球全体にあふれているんだよ。
太陽からたくさんのエネルギーが届いていて、それがいろんな形に変わって、あっちこっちに存在しているんだよ。
そんな風に、単純だけども非常に大事なメッセージが伝わってくる絵本です。
スズキコージ氏の、実験的で、斬新かつパワフルな迫力ある絵にもエネルギーが満ち溢れています。絵本の画面から熱いエネルギーが湧きあがってきて、読者が充電されて元気になるような、そんなアーティスティックな作品でもあります。
落ち込んだ時や、気持がクサクサしている時、このような壮大な作品に触れて、
頭も体も解放させてみてはいかがでしょうか?
自分の個人的な悩みから離れて、地球や宇宙のことをイメージでき、あっちこっちからエネルギーに応援されているような気分になって、元気が復活します。
文章は、大事な事はきっちり伝わってくるけど、誰にとってもわかりやすく書かれています。
子どもなら、小学校中学年以上かな?
でも、絵が面白いので、内容がわからなくても、見るだけでも楽しめると思います。
もっとも、スズキコージ氏の絵は非常に刺激的で、個性的で、パンチが効いていて、文字通りエネルギッシュなので、好き嫌いがはっきりすると思いますが。
作者も、絵本もエネルギーいっぱいの一冊です。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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