しかけで風景が飛び出し、透明シートで構造がひとめでわかる「科学しかけえほんシリーズ」。 本作品はサファリの広大な自然とそこに生きる野生動物たちの暮らしが紹介されています。
このシリーズの作品は、「しかけ絵本」というより「図鑑」です。 要所要所に立体的なしかけが出てきます。このしかけの力を借りることで、場面がより深く印象に残り、記憶されることでしょう。例えば「湿地帯」のページでは、ボツワナのオカバンゴ湿地帯の水辺のようすが、透明のフィルムをうまくつかったしかけで表現されています。水に浮かぶカバ、水中で魚をくわえるナイルワニ、水面に穏やかに浮かんでいるシロガオリュウキュウガモの下には、水中からカモを狙うどう猛なタイガーフィッシュの姿が。このように本でありながら場面から受ける印象が大きく変わることがしかけの効果です。目次と索引をのぞく13の見開きのうち、5見開きに大がかりなしかけが登場して、サファリと動物たちを立体的に再現しています。
本文に出てくる漢字にはすべてひらがなのルビが振ってあるので、まだ漢字が読めないお子さんでも自分で読むことができます。(本文以外の細かい説明文章にはルビが振られていませんので、ここは大人が読んであげてくださいね)小さいお子さんを意識した作りですが、内容は本格的で大人も楽しめます。科学しかけえほんシリーズをきっかけに、お子さんの興味が広がるのではないでしょうか。
目次 サファリにでかけよう/サファリ内の生息環境/生き抜くためのたたかい/山岳地帯/森での生活/草原/サバンナ/湿地帯/水の世界/水場/砂漠と干ばつ/地上では/巣としての塚と穴/索引
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
科学しかけえほんシリーズ最新刊。今回は、アフリカの大自然と野生動物を紹介します。
|