どこまでも広がる大海原に一艘の船。 赤く燃える夕日が沈むころ、どこからともなく楽しげな音楽が聴こえてきます。音楽好きの船乗りたちが甲板にあつまり、自慢のラッパやヴァイオリンを演奏しているのです。美しい夕日に映える素敵な音楽は、いつの日からか海にすむクジラやイルカ、たくさんの魚たちを魅了しました。ある嵐の日、船乗りたちが乗っている船は沈没しそうになります。そんな彼らを真っ先に助けてくれたのは、彼らの音楽ファンになっていた大きな鯨たちとたくさんの魚たちだったのでした。
1964年に出版された名作『うみのがくたい』は、音楽好きの海の男たちとクジラが紡ぐ友情と音楽の美しい物語。赤い海の上で船乗りたちが奏でる陽気なラッパが今にも聴こえてきそうな楽しい絵本、その名作がなんとCD付き英語絵本になったんです。 英語の絵本、しかもCD付き。一体どんなものになったのか気になりますよね!
The evening sun shone on the sea. ゆうひが海に照りはえ、 The music floated out over the ocean. 音楽が海にただよう。 It was wonderful. それはとてもすてきだった。
陽気な楽隊の演奏と共に、英語と日本語のナレーションが歌うように交互に入り、英語がわからずともあっという間に絵本の世界観に引き込まれてしまいます。情感あふれる日本語のナレーションは、俳優の江守徹さんが担当されているのも驚きなのですが、一流のスタッフによって構築された音の世界は、原作の世界を壊すことなくより豊かに、より瑞々しく絵本のイメージを昇華してくれるのです。
"That’s okay." 「いいとも。」 "Take your time." 「ごゆっくり」 "We can wait." 「こっちはかまわないよ。」
"But ships are heavy, aren’t they?” 「でも船って重いんだね。」 "We’ve never done this before." 「はじめてこんなことやってみたよ。」 "What happened to the orchestra last night?" 「ゆうべ がくたいはどうしたの。」 "We were too busy with the storm. 「嵐でそれどころじゃなかったんだよ。 When we finish our work, well play all you like." 仕事がすんだら、たっぷり聞かせてあげるよ。」
船乗りとクジラたちとの会話劇がたくさんあるのも特徴的で、感情のこもった表現は耳で聴きとってすぐ英語で口に出したくなります。魚の名前や楽器の名前、船や海にまつわる表現もたくさんでてくるので、英単語やフレーズを暗記しただけでは使いこなせないリアルな英語を物語を通して学べるのも嬉しいところ。 原作の『うみのがくたい』をご存知の方もそうでない方も、お食事時やドライブ、好きな時にいつでも絵本の世界へ導いてくれる本作、是非ご家族で一緒に聴いてみてくださいね。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
その船の乗組員はそろって音楽好きだった。音楽をとおして生まれた海の男たちと魚たちとの友情を詩情ゆたかにうたうものがたり。音楽がイメージをさらに広げてくれます。
コロナ禍の中で、安易に劇場や観劇に行けなくなっいている今年、絵本とCDでの鑑賞もすごくいいなぁと思える1冊です。
英文が読めなくてもよくわからなくても、とりあえず開いて聞いてみる。
それでも結構楽しいかも。
英語って触れる時間が大切なんだと思います。
我が子にも毎日少しずつ英語時間を作っていきたいですね。
大人の英語の学び直しにもいいですね。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)
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