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名探偵、明智小五郎につかまった怪人二十面相は、堂々と牢やぶりを行い、四十面相に改名すると宣言した。明智との対決は!!
【あらすじ】
獄中から大胆にも挑戦状を出す、怪人二十面相。二十ではあきたらず、自ら四十面相と改名してから、脱獄する。黄金のどくろを捜す秘密の集まりに
変装して参加した四十面相と、小林少年と明智探偵の戦いが始まる。
ユーモラスで奇抜な変装術が冴える、少年探偵団シリーズ8冊目。
【感想】
いったい何が起きるかわからない、奇想天外なミステリー。子ども向けに書かれているので、極端に残酷な描写がなく、刺激がマイルドで私向け。
(カレーに例えれば、甘口〜中辛くらい)
いろんな変装が出てきて、四十面相と小林少年の知恵比べが息つく暇もなく次々と展開される。50年代に発表された作品というが、古さを感じさせず、その世界観に浸り、一気に読み終わってしまった。乱歩先生の名調子は、今回も冴えている。
暗号の解読や、トリックを考えながら物語を読み進める楽しさもあり、ミステリー好きにも、ミステリーが苦手な人にもおすすめできます。読みやすいので。
毎度、このような謎を考え付く乱歩先生の素敵なアイデアに感動する。読者に常に語りかけるので、自分も少年探偵団(チンピラ別動隊)の一員として作品に参加しているような気持ちにもなる。読者のみなさん…と語りかけられると、何故かちょっと嬉しい。
作品も楽しかったが、巻末の解説も面白い。
中島河太郎さん(文芸評論家)の、鋭い指摘に思わず笑ってしまった。
詳しいことは、是非とも作品を読んでみてください! (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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