「グレートジャーニー」。聞くとなんともわくわくしてしまう、この言葉。
人類は、およそ700万年前に東アフリカで誕生したといわれ、その後長い年月をかけ、アフリカ大陸から、ヨーロッパやアジアを経て、南北アメリカ大陸へと広がっていきました。最も遠い果てが、南アメリカ大陸の最南端。この本の著者である探検家・関野吉晴さんは、その南アフリカ大陸最南端から出発し、5万kmにもおよぶ人類の旅路を逆ルートでたどる旅「グレートジャーニー」を行いました。 さらに2002年にグレートジャーニーを終えた関野さんは、次に日本人が来た道をたどる「新グレートジャーニー」の旅に出ました。
この「グレートジャーニー」は、いくつもの「小さな探検(ミニ・エクスペディション)」をつないでいくことで成り立っています。本書は、そのミニ・エクスペディションと寄り道の様子を、写真と文章で綴った作品です。
マゼラン海峡からはじまり、パタゴニア南部氷床、アンデス高地、アマゾン、ギアナ高地・・・と続き、アラスカからベーリング海峡を渡って、シベリア、ゴビ砂漠を横断してラエトリまで、壮大な景色に加え、現地の人々の生活をとらえた写真の数々。自転車、シーカヤック、犬ゾリやラクダなど、自分の力と自分で操れる動物の力でギリギリの状態で進み、現地の人々と交流しながら旅を続けた、まさにその生々しい様子が伝わって来ます。
難しい漢字にはふりがなが振られ、子ども達が読めるように配慮された本書を通して、関野さんがたどった人類の旅路に想いを馳せることでしょう。 大人も胸躍る「グレートジャーニー」。ぜひ親子でも読んでみてください。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
アフリカ大陸で誕生した人類が、ユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸へと広がっていった道を、逆ルートでたどった、探検家・関野吉晴の「グレートジャーニー」。旅のハイライト場面を、関野自らがセレクト。迫力の写真満載で、グレートジャーニーのすべてがわかる本!
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